USBを使用しての拡張[8] USB Hub とカードリーダ

■USB Hub
■USB Hub の使い勝手
 本サイトでUSB Hubを採り上げるのは2回目になります.USBに関して は前回解説を行っておりますので, こちらのページを参照して下さい.

 前回 4port の USB Hub を購入してから,しばらくの間は問題なく便利に 使えていました.しかし,その後手持ちの USB 機器が増えてきたため,トータル での使い勝手が悪くなってきました.

 具体的には,USB 機器は Plug&Play で使いたいときにコネクタへ差し込み, 使い終わったら抜くということが出来るわけですが,デスクトップPCの場合は 挿しっぱなしの方が何かと便利です.このことを考えると 4port 程度ではすぐに ポート数が不足気味になります.また,小型軽量のHubの場合,自重や固定 具合がケーブルを抜き差しするときのテンションに絶えられず,Hub本体が 移動してしまいます.片手でHub本体を掴み,片手でケーブルを…と,いった感 じで操作しなくてはなりません.この作業がかなり煩わしく感じられました.

 そんなおり,ACアダプタの故障が原因でHubが利用できなくなりました. 修理するよりも別のを買おう…と,なったのが今回の話の発端です.

 買い換えるにあたって考えたのは,以下の事柄です.

  • ポート数は出来るだけ多くしたい(Hub 多段で接続するディージーチェーンは避けたい)
  • 出来れば USB2.0 対応の物(後々使い回したい.例えばTerminator K7DDR等に)
  • 磁石などで Hub 本体をカチッと固定できる物
 ごくごく当たり前の要求仕様だと思うのですが,多くのポート数を持った Hubは思いの外少なく,特にUSB2.0対応となると4ポート以上の製品は,殆ど ありません(とは言え,皆無ではありません.例えば Adaptec製 のHubであれば,USB2.0対応で7ポートあります.店頭で殆ど見かけることが 無いのが難点です).

 BKi810 は USB1.1 ですので,ここは割り切り,USB1.1の多ポート搭載タイプの Hubを探すことにしました.

■7ポートセルフパワー USB1.1 Hub
 多ポートのUSB(1.1) Hubをgoogle等で検索したところ,例えば ロアスエレコム, サンワサプライコレガロジクール等の 多くのメーカーから,6〜7ポート程度のセルフパワー専用 の製品が販売されているのが分かりました.これだけの種類が出ているのであれば, 選定に迷うくらいであろう…と,勇んで近場の電器店に出かけたのですが,店頭に並んで いたのは候補中のサンワサプライ製品のみ.選択の余地無く,これを購入しました.

サンワサプライ製 USB-HUB17GPH
USB1.1規格の7ポート USB HUB.同社製品では, USB-HUB25GPH のように前面2ポート,背面5ポートのようなものもありますが,背面のみにポートが並んだタイプを購入.

値段は結構いい値段していて,店頭価格で5380円也.ポート単価は約800円.

ポートは左からアップリンク用ポート(PC側),ダウンリンク7本(周辺機器側),ACアダプタ接続用コネクタ です.ダウンリンクポートはコネクタを立てて接続する形のため,ハブはかなり小型になっています.

背面には磁石が取り付けられています.かなり強力なタイプなので,ケーブルの抜き差し時に ちょっとやそっとではズレません.しかしその反面,ディスクの近くやPCのケースに貼り付ける のはかなり危険に感じます.

ACアダプタのコネクタが奥まで刺さらず,少し剥き出しになっているのが気になります… (写真左端のケーブル)

私はこのようにデスク背面に貼り付けて使っています.向かって左側は 8port 100Mbps Ethernet Switch. 同じく磁石でデスクに貼り付いています.

ハブ前面にはインジケータLEDがありますが,当然ながらこのように設置すると見えません:-)

 単なるUSB Hubですので,性能的に特出する部分はありません.あとは転送レートが 出ないであるとか,たまに認識しなくなるようなトラブルが発生するか否かですが, 幸いにトラブルもなく,普通に動作しました.(気になると言えばACアダプタが奥まで 刺さっていないことですが,これには目をつぶることにしました)

 手持ちの一通りのUSB機器を接続した後でも,現在まだ若干ポート数に余裕が出てい ます.利用してみての感想としては,『繋ぎっぱなしはとても便利』の一言に 尽きます.

 USB ケーブルの抜き差しが面倒だなぁとお悩みの貴兄は,ぜひお試しあれ.

■4ポートセルフパワー USB 2.0 Hub
 ついでと言っては何ですが,我が家の新興勢力かつ現在私のメイン環境である Asus Terminatorおよび, Pentium3-S 1.4GHz dual(当然 CPUファンレスの静音仕様) マシンでは,USB 2.0 および IEEE1394 が利用可能になっています.近々書くと思いますが,USB2.0 対応 の外付けディスクやスキャナを利用することが多く,これらマシン用に USB2.0対応 Hub も欲しいなぁと考えていました.Asus Terminator K7DDR はフロントに USB 2.0 のポート出ているのですが,その他のマシンは拡張カードを使用している関係で, 背面ブラケットにしかコネクタがありません.つまり,使い勝手を良くするために 背面からケーブルを這わせ,手の届く所で USB 機器類を接続できるようにしよう ということです.

 こちらに関してはあまり高望みはせず,4portタイプを選択しました.ただし, ケーブルを抜き差しする際ののことを考え,Hub 本体を磁石でカチッと固定できる タイプにしました.

※なお,USB2.0 は下位互換性が保たれているため,USB1.1対応の機器を接続したり, 逆にUSB1.1しか対応していないPCに使用することもできます.
エレコム製 U2H-G4SBS
USB2.0規格の 4ポートセルフパワー専用 USB HUB.3,980円で購入.
Hub本体,PCとの接続用ケーブル,ACアダプタが同梱されています.

ポートは前面にダウンリンク4ポート,背面にACアダプタ用のコネクタと PC本体接続用のポートがあります.上面には各ポートのステータスランプ と電源LEDが付いています.

本体上面に貼られた『Hi-Speed USB』シールが USB2.0 OKの印.

 こちらも基本的に極々普通の USB Hub ですので,性能上他社製品と 差が出ることはまずありません.そしてトラブルもなく,無事に動作しました. パフォーマンスのチェックはしにくいのですが,USB2.0 対応外付け HDDを 利用した限りでは素晴らしく高速に通信が行えており,USB1.1 と比較して 劇的なパフォーマンスアップが図れました.

※USB 2.0 はカタログスペック上は 480Mbps となっているが,実際には様々な オーバーヘッドが存在するために理論値通りのスピードが出ない.また,これ ほど高速にデータをやり取り可能なデバイスは殆ど存在しないため,きちんと パフォーマンスが出ているかに関して簡単にベンチを取る方法はありません.

 ただし,3台のマシンでHubを切り替えて使用しようとしていた USB 切り 替え機(メカニカル的に切り替える)が動作しませんでした.でもこれは, 切り替え機側の問題だと思います.

 また,HUB本体固定用の磁石もかなり強力なものが使用されており,通常の コネクタ抜き差しでは本体がずれるようなことはありませんでした(但し, 斜めにテンションをかけつつ抜こうとした場合は外れます).

■カードリーダ
■メモリカード規格あれこれ
 本サイトでメモリカードリーダを採り上げるのも2回目になります.前回は こちらのページに解説したように,PC Card と SmartMedia の ダブルスロットのタイプを購入しました.しかし2年も経つと世間の情勢は様変わり しており,CompactFlash は健在ですが,(私も酷評していたところの) SmartMedia は 案の定消え行く方向に流れています.その代わり SD メモリカードが新興勢力として 勢力を伸ばしてきました.

 現在メインストリームで使用されているメディアは,あまり普及していなかったり マイナーな規格を除くと,CompactFlash,SD メモリカード/MMC,MemoryStick,xDピクチャカード 辺りでしょうか.なお,SDメモリカードとMemoryStickはさらに標準的な大きさのタイプと 小型のタイプのものが規格化されています.

 私の独断と偏見で書かせて頂くと,xDピクチャカードは SmartMedia の後継であり, 従来 SmartMedia を使用していたメーカー(富士フイルム,オリンパス)製デジカメ以外で 利用されているものは殆ど見かけません.一方 SDメモリカード/MMCは,デジカメや シリコンオーディオ,PDA,携帯電話等々様々なジャンルの製品に使用されており,勢力的には CompactFlash を凌ぐのではなかろうかと思えるほどです.小型で大容量であり,値段も (CompactFlash程ではないが)廉価になって来ていますので,いずれシェアの殆どを握る かもしれません.

 一方老舗の規格とも言える CompactFlash は,現在も順調に容量が増大しており,価格も 順調に下降しています.また,ネックであったスピードに関しても,最近は高速なタイプが 多くのメーカーから発売されています.ちなみに CF TypeII 規格対応の機器であれば, 超小型ハードディスクである MicroDrive が利用可能な物が多く,近々 4GB MicroDrive が発売になります.コストパフォーマンスと最大容量の点では,現時点で最も優れた規格と 言えるでしょう.

 もう1つの勢力である MemoryStick は,SONY 製品以外で使用されることは殆どありませんが, 家電やオーディオ,コンピュータまであらゆるものを SONY 製品で統一している場合,とても 重宝するという話も聞きます.しかし,つい最近大幅に仕様変更された様子を見て,私は SmartMedia のときの様子を思い出しました.規格の発表当初,スケーラビリティを謳っていた 覚えがあるのですが,128MBを超える MemoryStick は従来品と別仕様になります.そのため, 手持ちの製品が新規格に対応していない場合,メディア容量は 128MB で打ち止めとなります.

 既に何らかのメモリカードを使用する製品を持っている場合は,同一規格のものを使用する 製品を選択する(複数の規格のメモリカードを混在させると,何かと不経済です)という 方向で良いと思うのですが,デジカメ等を新規に購入しようと考えている方に対しては, 私は次のようにアドバイスしています.

  • コストパフォーマンス,最大容量を選ぶのであれば CompactFlash
  • スピード,小型,適度な大容量を選ぶのであれば SDメモリカード(256MB以上のタイプは高速です)
  • SONY製品で固めるのであれば MemoryStick

 では私の場合はと言うと,基本的に CompactFlash でまとめていますが,DVカメラやPalmは SONY製であることもあってMemoryStickです.その他,SDメモリカードやSmartMedia を利用する 機器も若干ありますが,基本的に CompactFlash 以外は複数のメディアを購入していません. (現在,デジカメの刷新を考えており,今後SDメモリカードにシフトするかもしれませんが)

■USB カードリーダに求める物
 さて,前回は平たい(横型)タイプのカードリーダを購入して使用してきたわけですが, 使い込むうちに色々と難点が見えてきました.簡単にまとめると,以下のようなポイントで 使い勝手が悪いと感じました.

  • PC Card スロットは多くの種類のメモリカードが利用可能であるが,変換アダプタを 利用することになるので,コスト的に不利であり,手間的にも不便
  • カードの抜き差しの際に片手で操作が行えない

 このような点を踏まえつつ,今後SDメモリカードを利用する可能性が考えられる ことから,今回以下のような仕様のメモリカードリーダを探すことにしました.

  • CompactFlash,SDメモリカードがアダプタ無しで使用できるもの
  • 片手でメディアの抜き差しが行える(操作時に本体を保持しなくても良い)物
  • メーカーによる今後のドライバのアップデートが期待できる物
  • (可能であれば)特殊なドライバを必要としないもの

 あまり特殊な要求ではないと思うのですが,世間の趨勢は 『多種類のカードを利用できる』『小型軽量』を売りにするものが 多くなって来ています.その反面,使い勝手を考慮した製品は 少ないように感じます.

■缶型カードリーダ
TDK製 MediaReader CAN URW01MC

バイクメンテナンスの際に,店の知覚をフラフラしていたところ,電器屋が 開店セールを行っているのを発見.ワゴンセールで安く売られていたので購入.2980円也

対応カードは5種類.ただしスロットは CF/Microdrive,SD/MMC,SmartMediaの3スロット
仕様(写真がブレててすまん)
Win98/Me/2000/XPの他,Macにも対応.TDK製ということで今後のドライバの提供に関しても (比較的)安心できる.ただし,マスストレージドライバでは動かず,独自のドライバが必要.
内容物一覧.USBケーブルは本体に直付け.
一応1ポートのUSB Hub機能を持っているが,あまり(電力的な)ドライブ能力が無い.
キーボードやマウスが利用できるかも…程度に考えておいた方が良い
そして本製品の売り.縦型(缶型)になっており,上からメディアを挿入する.そのため, 抜き差しの操作時に本体を保持する必要が無く,片手で行える.非使用時は防塵用の蓋を する.
スロットは前述の通り3スロット.Windows2000に接続すると,リムーバブルドライブが 3つ見える形になる(同時に3メディア使える点を売りにしているが,同時に使用する ことはまず無いため,この点は逆に不便に感じる.実はさらに多形式メモリ対応&多スロットの製品も 以前購入していたが,予想通りとんでもないことになったので利用を止めた)
縦型ということもあり,少々高さ的に場所を取り,メディア挿入方向も含めて考えると 置き場所が制限されるのが難点.しかし設置面積としては小さいので,写真のように置く場合は 問題にならない.

 使い勝手としては,とても良いです.これまであまり気にならなかったデジカメからの メディア取り出しが煩雑に感じられるほどです(マスストレージクラス対応のデジカメを 使用すれば良いと言えばそれまでですが).ただ,USB Hub機能は今ひとつな感じで,手持 ちのちょっとした大電流を必要としないような機器も動作しませんでした.

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 一時期,本カードリーダのような『缶型』の製品がいくつか出てきていた覚えがあるのですが, 現在も現行商品として売られているものは殆ど無いようです.MediaReader CAN URW01MC も2002年 7月に発表された製品なのですが, TDKのページを見てみると,既に 旧製品になっています.USB2.0やMemoryStickへの対応が成されていないため,早々に引退して しまったようです.しかし, ドライバダウンロードページを 見ると,一応 2003 年になってもメンテナンスはされているようなので,当分の間は安心して 使えそうです.

 ちなみに『今現在,新品で購入可能なのか?』に関しては,在庫を持つ店がかなりあるよう なので,今しばらくは大丈夫そうです.後継機種が出ていないようなので,縦型タイプが必要 な場合は,早めに購入した方が良いかもしれません.


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