BKi810 v3.3A との違いを確認

■このページの趣旨
 基本的に BKi810 v3.3 の中身をそのまま移植したため,組み立て方法に関しては 詳しく言及しません.この辺りの話に関しては, こちらのページを参照してください.

 本ページでは,v3.3 との違いおよび組み立てに際して気が付いた点に関して まとめています.

■組み立ての際に気が付いた点
■ケースに関して
 まずケースですが,私が所有している BKi810 のケースとは少し形状が 異なっています.

 外観で異なるのはフロントパネルのみです.

 おそらくフロントパネルのみが異なるのだと思っていたのですが,シャーシを外した ところ,ケースの作り自体が異なっていました.

 そのため,フロントのステーは過去のものと共用できません.また,以下の

写真を見ると分かるように,フロントパネルは外観が異なっているだけではなく, 爪の位置も異なっています.そのため,これも共用できません.

■中身を確認
 背面を見ると,モデムポート右側に見慣れない端子が一つ付いています,

 ケースを開けて見てみると,この端子はデジタル音声入出力端子でした.
 つまり,この端子が付いている場合は このページで解説したような デジタル入出力用の回路を使用しなくても,S/PDIF が使用可能になります.

 ただし,この形状の端子は一般的ではなく,ピンアサインも特殊であることが 考えられるため,使用する際には外付けで光デジタル/同軸デジタル端子に変換 する必要があると思われます.

 M/Bの形状は v3.3 と全く同じです.ただし,GMCH の上にはチップ用ヒート シンクが取り付けられています.これは,ベースクロック 133MHz で動作させた 際の発熱が大きいため,冷却用に取り付けられるようになったのだと考えられます.

注:BKi810E ではベースクロック 133MHz に対応して いますが,(排熱が充分にできないためか)動作が安定しないという話を聞いた ことがあります.使用する場合には注意しましょう.

 なお,ベースクロック 100MHz/66MHz で動作させている BKi810 v1.6/v3.3 でも, ゲームなどでグラフィック機能をハードに使用すると,かなり GMCH が発熱します. もし,グラフィック機能を多用する特定の状況下で不安定になる場合には,ヒート シンクを取り付けた方が良いでしょう.

 ICH はスペックのページにも書きましたが, Ultra DMA 66 に対応した i82801AA が使用されています.とは言え,現在の 一般的な IDE ディスクでは,UDMA 33 の 33[MB/sec] を使い切れない場合も 多いため,それほど大きなメリットとはならないかもしれません.

■冷却に対する配慮
 ケースには v1.6 のときのような吸気用のスリットは開いていません. しかし,前回実験した際には効果が 認められませんでした.

注:最近販売されている PC Chips 製 Book PC II(トヨムラのページより)では,CPU 横に吸気用の 穴が開いています.このような形態であれば,効果があるかもしれません

 しかし,この BKi810E では,v3.3A には無かった冷却に対する工夫が いくつか施されています.その一つは,フロントパネルに開けられたスリット です.

 上記のように,FDD,HDDの前面に当たる所に連続的にスリットが開けられ ており,ケースに取り付けた際には,以下のようになります.

 このように,ドライブを取り付けた際にちょっとした空気取り入れ口が 出来るようになっており,吸気が可能になっています.v3.3 で私が 使用していたフロントパネルでは,全く空気の取り入れ口がありませんで したので,FDD を取り付けたまま使用するとドライブ自身の隙間から吸気 するといった状態になっていましたが(そのため,埃がたまりやすい), この状態が多少は緩和されそうです.

 また,ステーの HDD 前に当たる部分には,下の写真のように,集中的に 穴が開けられています.最近のドライブは低消費電力化が図られているとは 言え,かなり発熱しますので,ありがたい配慮と言えます.

 BKi810 では,7200rpm のディスクは発熱の点からお勧めできませんで したが,これだけ開口部があれば,ある程度問題なく使えるかもしれま せん.

 私の場合は,後述しますようにフロントパネルを外した状態で,Maxtor

■CD/DVD-ROM を選ぶフロントパネル
 組み立ては至って順調に進み,v3.3 からの移植は無事に済みましたが,いざ 使用しようとした際に問題が発生しました.意外な盲点でしたが,このフロント パネルと,私の使用している SD-R1002 のイジェクトスイッチ位置がうまく噛み 合わず,トレーの引き出しが出来なくなってしまいました.

 フロントパネルのイジェクトボタンを前から見ると,このような楕円形の小型 ボタンになっています.

 裏側から見ると,下の写真のようにプラスチックの弾性を利用したボタンと なっていますが,ドライブ側にはこの小さなボタン部分しか接触しません.

 そして SD-R1002 のイジェクトボタンの位置と微妙にずれているため,押せなく なっているのです…

 v3.3 のフロントステー,フロントパネル共に互換性が無いため,最終的に以下の ような形態で使用することにしました(M/B を v3.3 のケースに取り付ければこの 問題は解決可能ですが,ちょっと面倒だったので :-) ).フロントパネルが外され ている左のマシンが BKi810E です.

 FDD を取り外したこともあり,冷却の点でも問題が発生しにくい構成になりまし たので,これはこれで良いのではないかと思います.一部スイッチ用のパターンが むき出しになってしまいますので,ここには絶縁用のテープを貼り付け,事故が発生 しないようにしています.

■まとめ
 BKi810E は,BKi810 シリーズとして発売され最後のモデルです.

 そのため,ベースクロック133MHzへの対応や,ICH の変更による UDMA66 への対応 等,ハード的なスペックは強化されています.その一方,CPU ソケットが相変わらず FDD の下の狭いスペースに位置しているなど,高クロックCPUを利用する際に問題と なる部分の改善が図られてないのは残念な所です.また,現在 Sokect370 用の CPU としては,Tualatin コアのものに置き換わりつつありますが,発売時期の関係で Coppermine コアまでしか対応しません.

 新古品も含め,新品で店頭で販売されているのを見かけることはありませんが, 中古品としては若干流通があるようです.利用可能な CPU が限られるためもあり, メインマシンとして利用するには些か見劣りがしてしまうかもしれませんが,それ でもまだまだ一般的な利用に際しては問題ないスペックのマシンが組めるのでは ないかと思います.

 BKi810 には様々なバリエーションがあるようですので,一括りにして解説しにくい 部分があります.今回解説した BKi810E に関して言及しますと,CD/DVD-ROM ドライブのイジェクトボタンの位置によっては利用できないものがあるといった 点のみ注意が必要です.


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