USBを使用しての拡張[4] フロッピーディスクドライブ

■フロッピーディスクドライブ
■フロッピーディスクの用途
 今はもう,FDD と言っても 3.5inch FDD 以外は殆ど売られている所を見 なくなりました.その 3.5inch FDD にしても,データ交換やバックアップ 用のメディアとしての役目が終わりつつあり,一部製造メーカーはメディア 製造から撤退していきました.SuperDisk 等,FD の大容量化へのアプローチ も存在はしていますが,商業的に成功しているとは思えません.ある意味, 廉価で大容量かつ大抵のマシンで読めるメディアとしての CD-R の立ち上がりが, FD の製品としての寿命をさらに縮めてしまったような印象があります.

 最近のレガシーフリーのPCでは,FDDがM/Bにダイレクトに接続できない ものも少なくはありませんので,この流れはさらに加速するのでないかと 思います.

 しかし,『容量が小さい』『アクセススピードが遅い』FDですが, 手軽さという意味では一日の長があります.深夜に急に入り用になったとし ても,大抵のコンビニで売られていますし(CD-Rも売られていることが多い ですが),値段も使い捨て用途であったとしても負担にならない程度の 金額です.

 また,用途によってはまだまだ実用的であり,例えば PC 起動用のメディア や,ドライバの配布などには今もよく使われています.CD-Rでも起動用のもの (ブータブルCD)を作れるとは言え,その手間を考えるとややそのハードルは 高く,また,OS 起動イメージ作成用のプログラムは,FD にしか対応していない のが一般的です.

 一連のページで,BKi810 v3.3 では FDD を取り外さなければ冷却の点で 問題を抱えやすいことを解説しました.しかし,周辺機器を追加する際に, ドライバが FD で提供されていた場合,一旦本体をバラして FDD を取り付けて… のような面倒なことをしなければならなくなってしまいます.私は LAN 経由で 別マシンの FDD を利用してデータのみ転送して事なきを得ていましたが,ローカルにFDD が 接続されていないと 何かと不便なことも多いでしょう.そこで,ごく限定的な用途にしか使えま せん(BKi810 は BIOS の制限で,USB FDD からは起動できません)が,USB 接続の FDD を使用することにしました.

■USB FDドライブ
 Apple の iMac 発売の辺りから USB 接続 FDD の 需要が急速に増加したようで,現在店頭では多くのメーカーから様々なも のが売られています.ただし,大抵のものは5千円前後の値付けであり, どれも機能的にはほぼ同じです.(ただ一部例外もあり, Panasonic LK-RF240UZ (SuperDisk) や,倍速で読み書きの可能なドライブのようなものも売られています)

 私の場合,たまたま 日本橋を歩いていた際に,店頭でバルク品が安く売られていたため, 特に内容を吟味せずに購入しました.型番は NEC の Model: UF0002 となっています.

バルク品と言うことで,ドライブとドライバ入りのFDDが簡易包装されている 状態で売られていました.4900円で購入.
ドライブはバスパワーで動作するUSB接続.ケーブルは長すぎず短すぎずの 丁度良い長さです.ただ,設置方法によっては延長ケーブルが必要になる人もいる かもしれません.

ドライバはラベルすら貼られていない FD に入っていました.缶切りは 缶の中状態に陥る人もいるかも…

ドライブの裏側
ドライブ正面.右上にイジェクトボタン,左下にアクセスランプがあります.

薄型の嵩張らないタイプですので,本来ノートPC用周辺機器として製造されたものなのかもしれません.

■Windows 2000 で使用してみる
 まず,本体の FDD を外している場合は,BIOS 設定で On board FDC を disable にしておいてください.これを設定しておくと, Windows 2000 を起動した際に 『マイコンピュータ』に『3.5インチ FD (A:)』が表示されなくなります. (※ Win95/98での問題に関しては後述します)

 後は USB FDD を USBポートに接続し,画面に表示される指示に従って ドライバをインストールするだけです.ただし,USB FDD はかなりの電力を消費し ますので,バスパワータイプの USB HUB に接続した場合は『電力が足りません』 といったワーニングメッセージが表示されるかもしれません.私の場合,セルフ パワー対応の USB Hub 経由で接続しました.

Windows 上からは,このように認識されます.
接続すると『マイコンピュータ』に『3.5インチFD (A:)』が表示され, 本体から外すと消えます.

 FDD は常に接続しておく必要はないので,必要になったときにサクッと接続 して使用し,使い終わったときに取り外して片付けておくという感じで便利に 使えています.

■FDD レス BKi810 で Win95/98 を使用した場合の問題とその解決
 BKi810 の BIOS 設定を見ると,FDD レス構成できちんと動作するように, M/B 上の FDC (Floppy Disk Controller)を disable にしたり,Windows95 側 に『このマシンは FDD がありませんヨ』と教える機構が存在しているように 見えます.

 しかし,実際に試すとお分かりになると思いますが,どう設定しようにも 『マイコンピュータ』上に Aドライブ が表示されてしまいます.表示される だけであれば実害は無いのですが,これを不用意にダブルクリックすると, しばらくの間ハングアップしたかのように OS が固まってしまいます

 何件かメールでのお問い合わせがありましたので,この問題の対処方法を まとめておきますと,

  • Cドライブのルートに "fdd" という名前でフォルダを作成する
  • C:\autoexec.bat に,
       subst a: c:\fdd
    という一行を追加する
  • 再起動をし,この設定は有効にする
 抜本的な解決ではありませんが,このようにすることにより,フリーズ する問題は解決できます.記述内容に関して少し解説しますと, 『Aドライブを見に行った場合は,C:\fdd フォルダの中を参照せよ』と, 起動時に自動的に実行されるファイルに設定したということです.


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